社会保険料はどれぐらいかかるのか
社会保険料とは、健康保険、介護保険、厚生年金保険の保険料です。保険料率はそれぞれ異なりますが、いちいち計算しなくても、保険料額表を見るとそれぞれの保険料額が分かるようになっています。

保険料額表は、全国健康保険協会(協会けんぽ)でみることができます。
都道府県ごとに保険料率が異なりますので、加入している県の保険料額表をみるようにしてください。


保険料額表には、標準報酬月額という欄と、報酬月額という欄があります。
標準報酬月額は、保険料の基準となる額であり、この額に保険料率を乗じたものが保険料額となっています。

報酬月額は、労働の対価である、毎月の報酬額です。
つまり従業員さん一人ひとりの給料ですが、報酬月額の対象とならない賃金があります。

  • 経費立替分(旅費など)
  • 労働の対価ではないもの(慶弔見舞金など)
これらの金額を除いた額が報酬月額となります。


報酬月額が計算できたら、報酬月額の欄をみて、どこの欄にあてはまるかを調べます。
その欄を右にずらしていくと、健康保険料額のみ、介護保険料を含んだ健康保険料、厚生年金保険料の額が分かります。

なお、介護保険料は40歳~64歳の方のみにかかります。
39歳以下の方、および、65歳以上の方は、健康保険料のみの額をみてください。



報酬月額の決め方

(1)入社時

入社時は、給料の見込み額になります。

社会保険資格取得届を提出する際に、この見込み額を記入します。
見込み額には、通勤手当や予想される残業代も含めなくてはいけませんので、ご注意ください。


(2)定時決定

毎年、算定基礎届を提出して、報酬月額の見直しを行います。
ここで計算の元とされるのは、4月~6月の給料です。
この3ヶ月の給料の平均額が報酬月額とされ、その後1年間の保険料額が計算されます。

なお、この給料には残業代も含まれます。
3ヶ月の間に残業を長時間してしまうと、その後1年間の保険料も上がってしまいます。


(3)随時改定

昇給や、引越しによる通勤手当の変更など、給料に大幅な変更があった場合には、報酬月額の見直しをします。

「固定的賃金」の変更の結果、さきほどの保険料額表の欄が、上下に2行以上変わる場合に、月額変更届を提出します。固定的賃金とは基本給や手当のことであり、残業代だけが増えた場合には見直しは行われません。

随時改定の際にも、残業代を含めた額で計算されます。昇給の額が少なくても、残業代が多くて2行上がってしまったら、見直しの対象となります。
昇給時期にも残業は抑えた方がおトクです。



社会保険未加入の理由

社会保険の加入要件を満たしているのに加入していない会社が理由として挙げるのが、「社会保険料の負担が大きすぎる」です。

社会保険料は、半額を会社が負担しなければいけません。
たしかに、かなり重い負担となります。

しかし、厚生労働省は国税庁から源泉徴収義務者の情報を得て、社会保険の未加入に対する指導に活用しています。また、建設業は許可申請にあたり社会保険の加入状況の確認を行い、必要に応じて日本年金機構等へ通報することとなっている等、加入促進対策が進められています。

社会保険は法人であれば必ず加入しなくてはいけない制度です。








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